親だけで育児はできません。 子育てしながら働く現代。ワンオペ育児はもう限界?

あなたの周りに、仕事をしながら子育てに奮闘する人はいるだろうか。

そう言われると、女性を思い浮かべる人が多いかもしれない。しかし今、男性も育児に参加すべき、という考えは一般的になった。環境大臣が2週間の育児休暇を表明したことも話題になり、「これからは男性も育児休暇が取得しやすくなるのでは」と言われている。

2週間は仕事に打ち込む人には長く、子育てに苦労した人からは短いと感じられる期間。そもそも育児休業・休暇は、どのくらいの間取得できるのか。法律ではこのようになっている。

労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。
<引用:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第五条>

育児休暇は通常の休暇と同じ扱いのため、明確な期間は法律では定められていないが、原則1歳の誕生日まで(条件次第で1歳6か月、2歳まで延長可能)の休業の取得は可能になっている。このような法律があるのに、育児休業を取得しづらい環境ができてしまっている。

妊娠した女性が職場で不快な思いをさせられる、マタニティハラスメントが問題となった。最近では、男性が育児休暇・休業を取得しにくい環境をつくる、パタニティハラスメントという言葉が話題となっている。今は無縁と思っている人も、いずれは子どもが産まれ、育てていくかもしれない。ゲストとともに育児の現状を見ながら、子育てがしやすい環境をつくるために、私たちができることを考えていく。

● 公開日時:2020年3月4日(木)13:00 ウェブマガジンSOCIO:https://www.socio22.com/

▼ 記事概要・ゲスト紹介

待機児童とカウントされない子どもがいる

男性の子育て参加には、仕事を続ける母親が増えている背景がある。18歳未満の子どもがいる母親のうち、72.2%が「仕事あり」と答えている。0歳の子どもがいる母親を見ても、「仕事あり」は42.4%。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa18/dl/04.pdf
<参考:厚生労働省/平成30年 国民生活基礎調査の概況 統計表>

そこで問題になるのが、保育園だ。私市保彦さん(作家)は、保育園の現状について、こう話している。

「子どもを育てながら働いている女性、あるいは働こうと思っている女性にとって、保育園は欠かすことのできない命綱。減少傾向にあるとはいえ、保育園の待機児童は現在も問題になっています。潜在的には、調査数よりも多いかもしれません。」

「子どもがうるさい」と言ってしまう大人は許されるのか?

2016年4月。市川市の私立保育園が、市民の反対運動により開園を断念した。主な反対理由は、狭い道に送り迎えの車が往来し、危険であること。そして、園児たちによる騒音だ。市川市に住んでいた私市さんは、当時問題となった場所へ足を運んだという。

「周囲は静かな住宅地でした。建設予定地は、前の道路がやや狭く、車が往来する一般道路から入ってすぐのところだったのです。事故が起こる危険性については納得できましたが、園児が遊んだり騒いだりする声は、仕方ないものでしょう。」

子育てを頑張る人に周囲ができることは?

男女ともに育児休業を取得しにくい背景にも、周囲の冷たい目や、「親だけでなんとかなるだろう」という理解の薄さがある。育児者が働く企業のサポートも課題だ。育児休業の取得ができても、休んでいてなにも知らされない間に仕事が進むと、復帰が難しくなる。育児には周囲の協力が不可欠であると、私市さんは言う。

「『子どもは、みんなで大切に育てなければならない』という社会性、『自分の子どもだけでなく、ほかの子供もりっぱに育って欲しい』という昔ながらの心が、失われていると感じます。」

私市保彦(きさいち・やすひこ)

作家。
『ネモ船長と青ひげ: 童話、冒険小説、児童文学論』の著者。
【略歴】
東京大学フランス文学科卒業(1956年)
同大学院比較文学科修士課程終了(1961年)
主な著書
『幻想物語の文法』(晶文社、ちくま学芸文庫)
『フランスの子どもの本』(白水社)
『名編集者エッツエルと巨匠たち』(新曜社)
『赤ずきんのフォークロア』(今井美恵子と共著、新曜社)
『琥珀の町 幻想小説集』(国書刊行会)
『白い繭 幻想小説集』(沖積舎)
『地底の冒険』(てらいんく)その他
主な訳書
ウイリアム・ベックフォード『ヴァテック』(国書刊行会)
バルザック「異国の女への手紙」(東京創元社『バルザック全集 第26巻』)、『絶対の探求』、『老嬢』、『ルイ・ランベール』、『呪われた子』ほか(水声社)
ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』、『2年間の休暇』(岩波少年文庫)その他
『ネモ船長と青ひげ: 童話、冒険小説、児童文学論』
『ネモ船長と青ひげ: 童話、冒険小説、児童文学論』

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SOCIO(ソシオ)は、「あたらしい自分と社会をつくる」をコンセプトにしたウェブマガジンです。毎記事で1つのテーマを取り上げ、各界で活躍する作家が質問にお答えします。社会問題から人生のお悩みまで、さまざまな気になることを作家とともに考えていきます。SOCIOを通して、みなさまが未来について考える機会をお届けしたい。そんな想いで、発信してまいります。
公式HP: https://www.socio22.com/
Twitter: https://twitter.com/SOCIO_sns

「あたらしい自分と社会をつくる」ための3つのメッセージ
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② 気づき:その中にある気づきを育み、自分だけの行動指針を生み出す。
③ 営む:ひとり一人の決断の連鎖で、社会をアップデートする。

「あたらしい自分と社会をつくる」ための3つのメッセージ
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代表者  : 向田翔一
所在地  : 〒105-0003 東京都港区西新橋1-5-12 佐野ビル6F
設立   : 2014年12月
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